特集レポート
音楽の力で事故の削減を目指す!
~TOKYO SMART MUSIC~
「音楽の力で事故を減らせるか?」そんな想いで作られた首都高のコンピレーションアルバム「TOKYO SMART MUSIC ~DRIVE FOR YOU~」。そのアルバムの制作を担当したソニーミュージックの兼松さんと、収録曲の選曲などを行ったオレンジ・アンド・パートナーズの小山さんと内田さんに、制作の内側を聞いた。
今まで類をみないコンセプトのコンピアルバム
放送作家・小山薫堂さん(東京スマートドライバー発起人)と首都高がタッグを組み、事故の削減を目指すプロジェクト「TOKYO SMART DRIVER」のメッセージに、ソニーミュージックが賛同し、実現したコンピレーションCD「TOKYO SMART MUSIC ~DRIVE FOR YOU~(税込2,520円)」が、11月21日に発売される。これは小山さんの「音楽の力で少しでも事故を減らすことはできないか?」という発想から生まれたコラボで、今までにないコンセプトのコンピレーションアルバムとなっている。
ピンクのチェッカーフラッグが鮮やかなジャケットのデザインを手がけたのは、「One Show」'06年gold受賞アートディレクターの水野学さん(good design company)。収録されているのは、メジャーなものから通好みな曲まで、小山さん監修の元にセレクトされた全18曲。ボーナストラックとして世界的に有名なテクノミュージシャン・DJケンイシイさん作曲の「Theme From Tokyo Smart Driver」も収録されている。また、初回盤には「首都高スマートデザインMAP」、夜間反射タイプの「TOKYO SMART DRIVERオフィシャルステッカー」が特典として同封されている。
優しい運転をすれば事故は減る
さて、ソニーミュージックの兼松さんが「ドライブのコンピアルバムはあったけれど、音楽で事故を減らそうというトライアルは初めて」と語り、今までにない交通安全に対するアプローチ「音楽の力で事故を削減する」とは一体どういうことなのか。ちょっと聞いただけではなかなか意味が分かりにくいが、その因果関係は、事故の主な原因にあった。
首都高で起こっている事故は、強引な割り込みなどといった自己中心的な運転から発生しているケースが多い。言いかえれば、少しでも譲り合いの気持ちがあれば防げたというパターンが多いとも言える。それをメッセージとして訴えているのが「TOKYO SMART DRIVER」であり、そこで生まれたのが今回発売されるコンピレーションアルバム「TOKYO SMART MUSIC」。
スマートな音楽を聴きながら楽しくドライブをすれば、優しい気持ちになることができ、譲り合いの精神も生まれてくる。その結果、前述のような事故が防げるというわけだ。もしかしたら「たかだか1件の事故が…」と思われる方もいるかもしれない。しかし、その1件の事故を防ぐことが、派生的にさまざまなメリットを生んでいる。
まず、そもそも事故がなければ事故が原因による渋滞は起きない。首都高の事故は渋滞時に追突するケースも多いので、その手の事故を防止することにもなる。そして渋滞がなければイライラすることも少なくなり、我先にといった自己中心的な運転をする人も減ってくる。その結果、先に述べたような事故がなくなるといった良方向のスパイラルが出来上がるのだ。
また、優しい気持ちで運転することは、地球環境に対してもスマートだと言える。なぜならたった1件の事故がなくなることで、渋滞は2キロメートル減り、排出される二酸化炭素(CO2)は3トンも削減される。つまり、優しい運転をすることは、結果的にエコカーに乗ったりアイドリングストップをするのとは違った方法でエコランをし、地球環境にも優しい運転をしていることになる。
コンセプトはデートで流しても恥ずかしくない曲
優しい気持ちになれるような音楽を集めたのが、この「TOKYO SMART MUSIC」。やはり気になるのはどんな選曲がなされているのか、という点だろう。選曲の中心となった小山さんはどのように考えて曲をチョイスしたのだろうか。
「コンセプトは『初めてのドライブデートでかけても恥ずかしくないモノ』なんです。昔はカセットテープでマイベストみたいなのを作ったりしたと思いますが、あんなノリですよね。実際に収録されているのは、'70~'80年代のアダルトコンテンポラリーが中心です。中でも『ジャミロクワイ/ラヴ・フーロソフィー(1曲目)』、『マイケル・フランクス/アンダー・ザ・サン(6曲目)』、『エヴリシング・バット・ザ・ガール/カム・オン・ホーム(17曲目)』などは、私が普段から首都高を走る時などに聴いている曲で、絶対入れたいと思っていたんです」
「ただ、全部が全部自分の好みで選曲したわけではありません。東京スマートドライバーのサイトを訪れてくれた人たちの意見も採り入れていて、『ボズ・スキャッグス/ロウ・ダウン(2曲目)』、『ザ・スタイル・カウンシル/マイ・エヴァ・チェンジング・ムーズ(7曲目)』、『TOTO/ジョージー・ポージー(13曲目)』などは、サイトで意見を募集した結果を受けて入れたものなんです。収録曲にアダルトコンテンポラリーが多いのも、このアンケートでそういった要望が多かったからなんですよ」
運転時の状況や心境にあったものを選曲
決定した収録曲にストーリー性を持たせたのが、小山さんと同じオレンジ・アンド・パートナーズの内田さんだ。「運転をしていれば、刻々と状況も変わるし気分も変わってきますよね。だからその時の状況や心境にマッチしたものにしたいと思ったんです。例えば1曲目の『ラヴ・フーロソフィー』。この曲はドラムで始まるんですが、『さぁいくぞ!』という感じの気分が高揚するような曲なんですね。中盤にはドライブが楽しくなるようなテンポの良い曲を入れて、後半はしっとりと。最後には『カム・オン・ホーム』を入れたりして、朝、昼下がり、夕日といった時の移り変わりをイメージできるような流れにしているんです。その時々の気分にあった曲を聴くことで、楽しく優しい運転ができるんじゃないかと思って」
小山さんが続ける。「やっぱりその時の心理状態と流れている音楽のシンクロはとても大事だと思います。心地いいと思えるからこそゆとりができて、優しい運転ができるはずですからね。そんなことを追求していたら、本当にメジャーな曲はほんの一握りになっちゃったんですけどね(笑)」
首都高の表情が今までと違って見えるはず
小山さんの話を受けて、ソニーミュージックの兼松さんはこう語っている。「確かにメジャーな曲は少ないですね。どちらかと言うと通好みの曲が多い。コンピCDはメジャー曲をバンバン入れていくことが多いので、ある意味異例ですよね(笑)。でも決定した曲や曲順を見て『さすが』と思いましたよ。このCDの目的はこうなんだ、という強いこだわりが伝わってきましたから。だからこそこういった曲や曲順になったんだというのがラインナップを見てよく分かりましたね」
兼松さんの話に対し、最後に小山さんはこう話を締めくくった。「やはり本来の目的は『楽しい気分で優しい運転をしてもらえる曲を入れること』ですからね。トーンや流れを壊すような曲は入れずに、さまざまな状況の中で、本当の意味でスマートなドライブをしてもらえるような曲を選んでいるんです。だからこのCDは、ぜひ実際に首都高をドライブしている時に聴いてもらいたい。その時は、近未来的な立体交差、千鳥が渕の緑、巨大な東京タワー、レインボーブリッジの夜景など、今まで何気なく見ていた首都高の表情が、きっと違って見えてくるはずですよ」
■まとめ
小山薫堂さんを筆頭に、数多くの人とのコラボでこだわりにこだわって生まれた「TOKYO SMART MUSIC ~DRIVE FOR YOU~」は、11月21日、ソニーミュージックジャパンインターナショナルからリリースされる。このCDは大黒PAや市川PAなど、首都高の主要PA5箇所でも
販売されるので、実際に手に取り、特典のマップを見て、音楽を聴きながら首都高のドライブを楽しんでみてはいかがだろうか。
首都高速道路株式会社の池田さん(左)、ソニーミュージックジャパンインターナショナルの兼松さん(中)、小山さんとともに「TOKYO SMART MUSIC」の企画や選曲などに関わった内田さん(右)
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