特集レポート
首都高トリビア(1)
「ETCのバーは年間○○○○本も壊れている」
普段、首都高を使うユーザは、首都高について果たしてどれ程のことを知っているだろうか。「渋滞が多くて料金は700円、それだけ」なんて人もいるはず。都市部の中に張り巡らされた首都高には、きっとさまざまなトリビアが隠されているに違いない。今回は、事故のパターンや渋滞、危険なエリアといった安全に役立つトリビアを中心に探ってみた。
事故による渋滞は年間2万5000kmにもなる!
首都高を走っていると、たまに事故渋滞に出くわすことがある。事故の当事者には悪いが、これは非常に迷惑。混雑時に事故が重なるとまったく動かなくなることもしばしば。さて、そんな事故が原因でおこる渋滞、実は1年で2万5000kmにもなるのだ!これがどのくらいスゴイかというと、地球を0.6周分。東京からNYまで往復できてしまうほどの距離になる。
さらに、自然渋滞といった事故が原因ではない渋滞も含めると、その距離はなんと20万km。地球を4.4周もできてしまう。これじゃ万年渋滞してると言われても仕方がないってわけだ。そんな状況に、現在首都高は中央環状新宿線などを建設中。これが開通すれば、渋滞もかなり解消されるはず。その第1弾として建設中の5号線と4号線をつなぐ区間は、今年の12月に開通予定だ。
中央環状新宿線の工事費は1km1000億円!?
今年12月の開通に向けて、着々と工事が進んでいる中央環状新宿線。渋滞解消につながるという意味では喜ばしい限りだが、その費用は想像つかないほど巨額。なんと1kmで1000億円もかかっているのだ。あまりにもピンとこない金額だが、実はこの事業、高速道路の建設と同時に山手通りの拡幅も行っていて、これに300億円かかっているとか。
つまり高速道路の建設費用は1kmで700億円。それでも高いと思うものの、そこには高いには高いなりの秘密があった。それはまわりへの環境を考慮して、大部分をトンネル構造にしていること。これに400億円。さらに防災設備や換気設備などに100億円かかっているらしい。周辺への影響を考えれば、トンネル構造のほうがいいことは間違いないのは確か。膨大な建設費の背景にはこんなカラクリがあったのである。
事故でもっとも多いパターンは追突事故だった
誰だって事故は起こしたくないし、巻き込まれたくもない。ただしどんなに気をつけていても事故に遭うことはある。
事故のパターンでもっとも多いのは追突事故。これが50%を占めている。次いで合流時などに他車と接触してしまうといった車両接触が25%。そして側壁やガードレールなどに接触する施設接触が18%となっている。
ちなみに追突事故が一番起こりやすいのは渋滞時。よそ見などをしていて前方の渋滞に気づかずぶつかってしまったり、少し動いてすぐ止まるといったダラダラ運転中に居眠りして低速でぶつかってしまうケースが多いのだとか。よそ見は不注意以外のなにものでもないが、無駄な事故を防ぐためにも、コマめに休憩をとったり、ガムを携行したりといった対応策を日頃から心がけたいものだ。
首都高の事故率は一般道より低かった!
首都高を走っていて案内板を見ると、どこかで事故が起きていることが結構ある。さぞかし事故率も高いのだろうと思ったが、実は一般道よりも低いのだ。東京都の幹線道路の事故件数は、首都高の6.5倍。生活道路にいたっては11倍にもなっている。あれだけカーブや合流が多いにもかかわらず、だ。これはかなり意外な結果とも言える。
では事故の件数はどうなっているかと言うと、事故自体も減少傾向にある。交通量は平成15年に比べ3%増えているにもかかわらず、事故の件数は10%も減少。ちなみに時間に置き換えてみると、事故は40分に1回起きている。こう聞くとかなり事故が多いように感じるが、重大な死傷事故は航空機事故に遭遇する確率と同等レベルなんだとか。1日200万人、群馬県の人口とほぼ同じ人数が首都高を利用することを考えると、重大な事故は結構少ないのかも。
雨の日の事故は、晴天時のなんと5倍
雨天時は視界が悪くなり、事故の件数は増える傾向にある。これは当たり前のことだが、その増加率がスゴイ。雨が降っていると、晴れた日に比べてなんと5倍も事故が多いのだ。首都高はカーブやJCTが多いので仕方ないのかもしれないが、特に深夜の時間帯(23時~5時)では事故が7倍にもなっているんだとか。
時間つながりということでもう一つ。事故がもっとも多い時間帯はいつか。これは交通量と比例するが、11~13時の間がもっとも多い。ところがこの時間帯、重大な事故はさほど多くないのだ。危険な事故が多いのは、交通量の少なくなった深夜。それらの事故の多くは、道路が空いていることによるスピードの出し過ぎが原因と考えられる。深夜、そして雨。これは重大な事故につながる大事なキーワード。深夜の雨天時は、魔の時間帯ということを意識し、よりいっそう安全運転を心がけたい。
首都高速の制限速度は原則60km/hだった!
知っている人にとっては当たり前の話だが、首都高の制限速度が原則60km/lだってこと、意外と知らない人も多い。これは急カーブが多いことや、路側帯が狭いこと、そして騒音による環境への配慮が要因となっている。もちろん60km/hというのはあくまで原則なので、湾岸線の一部など制限速度が80km/hの路線もある。しかし、これは特別と考えるべき。ジャンクションの一部などでは、30km/hが制限速度というところもあるのだ。普通の高速道路と同じように考えていたら、痛い目を見てしまう。
痛い目といえば、オービス。光らせたことがある人もいるかもしれないが、実はオービスの電気料金は首都高が負担している。これはまったく役に立たないトリビアだが、ともあれスピードは重大事故につながる要因の一つであることは間違いない。スピードの出し過ぎにはくれぐれもご注意を。
ETCのバーは年間5100本も壊れている
ETCがあれば、渋滞時はちょっと優越感に浸れたり、料金が割引されたりと嬉しいこと盛りだくさん。ところが、そのETC。料金所を通過する際の事故が激増しているのだ。通行時にゲートが開かないというトラブルがほとんどで、その数、年間5100件。1日平均14本もゲートが壊れていることになる。
ゲート自体は柔らかい素材なのでクルマへの影響はさほどないものの、その補修費用で年間約1.8億円もかかっているとか。原因はカードの未挿入といったドライバー側のミスや不注意がほとんど。事故による急ブレーキなどで、後続車に追突される事故も続発しているので、通過する前には必ず確認しておきたい。
料金所の話が出たのでもう一つプチトリビアを。首都高には入口があれば当然出口もある。その出入口、当然数は同じかと思いきや、実は入り口が177カ所、出口は185カ所と、なぜか出口のほうが8カ所多いのだ。
事故件数ナンバー1は用賀料金所だった!
交通事故を減らすための要素として、ドライバーが安全意識を高めて運転するというのも大事なポイント。「ここは危ないから」と注意しながら運転すれば、必ず事故は減少するはずだ。その危ないポイントとはどこか。無駄な事故を防ぐためにも、平成18年の事故件数ワースト5を見てみよう。
第5位は、永福本線の料金所。4位が新宿カーブ~新宿入り口。3位は北の丸出口~北の丸で、2位は大井本線の料金所。そしてもっとも事故件数が多いのは、用賀本線の料金所地点だった。ここは料金所を出てから一気に2車線になるにもかかわらず、そこまでに仕切りの区画線がなかったため、我先にと合流しようとして接触事故が起こるケースが多かったのだ。
多かったと過去形なのは、現在は合流地点に区画線がひかれ、事故は1/3にまで減っているから。区画線があることによってウィンカーを出す人が増え、譲り合いの精神が生まれた。これによって事故が大幅に減少しているのだ。危険な場所では特に注意しつつ、譲り合いの精神で運転したい。
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://smartshimbun.jp/column/2/trackback.html



