連載
【石黒謙吾の「本当に首都高であったオモロイハナシ」】2008-03-10
Vol.4 「ライトアップといえばレインボーブリッジ」
Vol.4 「ライトアップといえばレインボーブリッジ」
~1993年8月26日に開通~
いつも、じっと車の重みに耐えている寡黙な首都高さんですが、実はとても人間のことをよく知っています。なにしろ、45年24時間片時も休まず、道の上で起こったいろいろな“事件”を見上げてきたのですから。このコラムは、その中でオモシロイできごとや興味深いできごとを拾います。そして、首都高さんの1学年先輩!?である石黒謙吾が、現場レポートよろしく事件を検証!ただし、カジュアルかつ無責任かつゆるーくですけど。
2005年10月1日 付
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去年、家の近所の低層マンションがかっこよく建て直されて、周りに植えられた木とともに、真下からすぱっーとシャープにライトアップされていまして。夜、駅を降りてから少し遠回りしてその前を通って帰宅。もう半年ぐらい経ってるのにまだ、日々小さい声で「いいわ~。この街に住んでてホントよかった~」と呟きながら見上げているんです。女子に生まれたら、口説くにはとてもちょろい相手になったことは確実。
さて、渋谷を歩く老若男女100人に聞きました。「ライトアップされているもの」と言えば何? と、実際は聞いてはいませんけど聞いたとしてですね、捻った答えとしては、姫路城とか、花見の桜とか、エンパイヤ・ステートビルとか? あ、お化け屋敷の顔を忘れてました。そしてたぶん一番多い答えは東京タワーか「レインボーブリッジ」じゃないかなあ。東京湾に架かるこの大きな橋は、もちろん橋としてとても有意義な存在なんだけど、日本のライトアップ建造物の代名詞になっている感すらありで、こりゃもう首都高のビジュアルクイーンと言えましょう。
地方から来た人に聞いたことがあります。車で走っていて「ああ、今オレはトウキョウを走ってるぜ」と実感するのは、レインボーブリッジを走っている時だって。空中からの爽快な眺めとライトアップが相まって、雄大なスケール感が漂っているからだと思う。
お台場海浜公園。レインボーブリッジ絶景ポイントにて。
レインボーとはいえ、ふだんは時間によって変えたりしつつも単色だけど、何度か、七色に変えながらライトアップしたこともあるそうです。ちなみに、レインボーブリッジという名称は、一般公募を行い「現代と21世紀を結ぶ虹の架け橋に」との願いを込めて決まったそうですが、2万件の応募のうち、なんと140件がこの名前だったというから、みんな相当に虹好きなんですね。
と、ビジュアルクイーンの宿命か、派手な話ばかり目立ってますが、人間と同じく、隠れたところで努力を怠らないのが、いつまでも美を保つ秘密でしょう。橋げたは、直径76センチの極太ケーブルで吊られていて、6万トンの重さに耐えるものだとか。そのケーブルを支えるために両端にある2本の塔。570メートル離れて垂直に立っているのですが、そのてっぺんの間隔を計ってみると……。なんと、基部よりも11ミリ長いんだとか! わかります? これどういうことか。下から上に向かって塔を開いて建ててある。つまり地球が丸いってことの証明なんですよ。僕も今回調べていてこの話を知ったんですが、じゅうぶんに肉眼で想像できる範囲で、地球の曲面を意識したのは初めてで、とても不思議な感じがしましたよ。きっと、ピタゴラスやアリストテレスもこの橋を渡りながら、「地球は丸かった」ことを確信したに違いありません。
石黒謙吾 (著述家/編集者)
http://www.blueorange.co.jp
映画化もされた『盲導犬クイールの一生』から、『ダジャレ ヌーヴォー』『図解でユカイ』『CQ判定 常識力テスト』『ベルギービール大全』などカルチャー路線まで著書多数。最新刊で初の短編小説集『犬がいたから』(集英社)が好評。
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映画化もされた『盲導犬クイールの一生』から、『ダジャレ ヌーヴォー』『図解でユカイ』『CQ判定 常識力テスト』『ベルギービール大全』などカルチャー路線まで著書多数。最新刊で初の短編小説集『犬がいたから』(集英社)が好評。
[次回の予告] 山手トンネル工事、驚異のスケール!
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