連載

【片桐仁の首都高社会科見学】2008-04-01

Vol.3 希望の光「振動発電」に、恐怖も吹き飛ぶ!?

首都高という一本の道路。ただそれだけの事、なんて軽く思ったら君はきっと火傷するだろう。首都高には汗があり涙があり笑いも起こる。きっと、そこには誰もが知り得なかった秘密が隠れている。きっと、そこにはロマンあふれる魅力的な人が集まっている。
このコラムは、片桐仁氏が持ち前の洞察力を発揮し、普段は車で通ることしかできない首都高の隅から隅まで、社会科見学していく様を追いかけていく。君の首都高を見る目がきっと変わる、そんな気がしてやまない。

←ココ(写真左)は、首都高五大橋のひとつ〈五色桜大橋〉の橋の下。「最後に探検でも行きますか?」というお誘いに「ゼヒ!」と向かった先は、約160mもの暗闇が続く、橋ゲタ内。懐中電灯がなければ、闇に溺れてしまいそうな漆黒の世界。実は「高いところ苦手」「狭いところはもっと苦手」の片桐氏。終わってみると「内心、そうとう怖かった」と料金所体験を上回るスリルがっ! といっても、今回の目的は橋ゲタ内の探検ではなく、〈五色桜大橋〉を通る車の振動から電気をつくり出してしまうという【振動発電】。まずは【振動発電】とはいかなるものかを、西東京管理局の永田さんからレクチャーを受け、そして黄色いパトロールカーで、首都高中央環状線の荒川に架かる〈五色桜大橋〉へ 。

【振動発電】とは、株式会社音力発電の速水浩平さん(慶應義塾大学大学院所属)が研究開発し、振動のエネルギーから発電するニュータイプの技術のこと。電気で振動させることで音を出すスピーカーの原理をヒントに逆転の発想。振動からでるエネルギーを電気に変換してしまおうという試みなのである。

そんな【振動発電】と首都高速道路がつながったキッカケ。それは首都高の保全業務に10年間関わってきた永田さんと、開発者の速水さんとの出会いから。常々、車の振動によってもたらされる道路のダメージをなんとか軽減させたいと考えていた永田さん。「エネルギー保存の法則によると、振動のエネルギーを何かのエネルギーに変換して小さくなれば、ダメージが減ることになるんですよね。何かいい方法がないかと、考えていたときに、友人の紹介で速水さんと出会ったんです」

ここで、キーワード。
エネルギー保存の法則!

「なるほど。『エネルギーは何かに変換しても一定である』ということが、エネルギー保存の法則なんですね。超ムズカシー!でもこれをクリアしないと次にいけない」と片桐氏。

小学生の頃、橋から落ちて死にかけたことがあるという片桐氏にとって、エネルギー保存の法則の理解以上にクリアしないといけない関門が次から次へ。

穏やかな春の青空の下、ようやくたどりついた振動発電ユニットの設置場所。実験的に10台が橋の下に設置されており、ユニットからの発電を確認するために、小型のLEDランプで点灯確認。「ホントだ!揺れると赤い光が。おっトラックかな?揺れる!これで光るっていうのが、スゲー!」

このユニットから得た電気を一部利用することで、イルミネーションを開始したのは昨年12月のこと。まだまだユニットは改良中であり、ゆくゆくは改良版を50個設置し、【振動発電】から得た電力を100%利用したライトアップを実現させるということが目標。「協力してくれる企業も募集中です。トンネルを除くと計235キロに及ぶ橋の点検通路があるんですが、その点検通路全てに発電ユニットを設置できたら、東京23区約400万世帯で使用する電力の4割ほどカバーできることに計算上ではなるんですよ」と永田さん。「そうなると首都高発電所なんてことに!エコが求められる時代、振動発電ってのがオモシロイですよね」と、深くうなずく片桐氏。

ユニット設置場所に向かうために揺れるハシゴを上ったり、橋ゲタ探検のためにホフク前進したり……。荒川のそよ風をかんじながら、なんとかゴール!(注:点検用のハシゴのため、一般の方は許可なく入れないのでご注意ください)

世界的に二酸化炭素削減が求められ自動車生活のあり方も見直されつつある今、世界初の試みで動き出した【振動発電】プロジェクト。まだささやかな光でしかないけれど、その一歩は、未来に向かって大きな希望の光なのかもしれず。

歴史に残るべきこの場所で、さらにスゴかったことをお知らせすると、私たちが片桐氏から「怖かった」という事実を聞かされたのは、出発地点に戻ってからということで。現場では、いたって平気、かつ余裕のスマイル。ということで、次に挑戦する場所は、やっぱりレインボーブリッジの上しかなかったりして!?

片桐仁(俳優)
ラーメンズとしてコント作品を発表する他、舞台の客演を中心に活動。ドラマや映画など多方面で活躍中。粘土造形家の顔も持つ。TBSラジオ「JUNK2 エレ片のコント太郎」(水曜日27時)に出演中。また、4月16日赤坂BLITZにて、ライブ「祝2周年!エレ片フェス2008」開催予定。さらに、舞台「GOD DOCTOR」5月4日〜18日(新国立劇場・小劇場)、5月22日・23日(兵庫県立芸術センター)もお楽しみに!
http://www.rahmens.net

撮影_ 佐山順丸
文_ 編集部

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実は「高いところ苦手」「狭いところはもっと苦手」の片桐氏【ラーメンズ研究所】

08/4/1、首都高スマート新聞更新。Vol.3は、『希望の光「振動発電」に、恐怖も吹き飛ぶ!?』高所恐怖症、閉所恐怖症の片桐仁、プロ根性見せてます。(2008-04-03 08:07:40)

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